1巻-3 こぎつね

チクルス6の和音を事前に練習しておく。音名で歌えるようにしておくことは前項と同様に大切である。

ファ→ラと押さえる時、2指は押さえない。また、ファ→ドの時は1指を押さえ続けること。このような絃を交差して押さえる方法は頻繁に出てくる。必ず習得させること。


ファレラファミを熟練させる。

ファ→レと押さえる時、1指に力が入りすぎていると3指を広げることができず、音程がよくない。ファを押さえたままレを押さえるのは指が遠くなり難しいので、最初はファ→ラで指を広げる訓練をする。

3指を押さえる、つまり内向きの筋肉を使う時、当然小指も内向きの筋肉が連動する。しかしヴァイオリンでは指先は絃上で待機させるべきなので、小指が丸まってはならない。薬指は内向き、小指は外向きの筋肉を鍛えなければならない。

良い音程が得られるようになったら、レ→ラであるが、ここでは同時に絃を押さえることはさせず、必ず押さえ直させる。絃を押さえるときは必ず指先の同じ場所で押さえるべきである。
最後のファ→ミは、放すタイミングが遅れやすい。それまでのレ→ラ→ファの過程で、最初から押さえている1指でネックを握っているためである。
生徒の上達によっては、レ→ラの繰り返しをさせても良い。

練習は、まずはキラキラ星のリズムで練習させる。次のステップは1音ずつ弓を止め、準備をさせる。その後に初めて空白の時間を無くして練習させる。

ここで難しいのは弓の移絃である。1音ごとに移絃をしなければならないので常に気を配っていないと弓が遅れ、音が混ざってしまう。それを防ぐために上記の3段階の練習をすべきである。
移絃は何よりも優先され、その後に「一指二弓 三発車」である。

この曲では弓戻しの習得も必須である。ここでは、指導者や親が弓を一緒に持って行動し、体得させる方法を採る。
人間は肩の球関節で腕を前後左右に動かす。弓戻しをする場合も肩を回してしまい、弓と絃の垂直を崩しやすい。そうではなく、肘・手首の柔軟を使い垂直を保ったまま弓戻しをさせる。また、絃に着地するときは、肘のポジションに注意する。肘が下がると弓も一緒に下がるということを忘れず、肘が上がったまま接絃させないこと。
弓幅は広い必要はなく、音価分であればよい。

左手の技術を要するこの曲では、大人が音を出して演奏させることを十分にしなければならないだろう。

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